大規模修繕工事を成功させる「絶縁工法のこと」

絶縁工法とはどんなもの?

絶縁工法とはどんなもの?

 

下地の状況があまりよくないとき、特に下地が水分を含んでいる恐れがあるときは、新しい防水層は「絶縁工法」を採用します。

 

絶縁工法(塗膜防水の場合は通気緩衝工法という事もあります)とは、新しい防水層を下地に密着させずに、下地と新しい防水層の間に通気層を作り、下地のなかの水分を外部に上手に出してしまおうという工法です。
(※補足 : 絶縁工法という言葉自体は、元々アスファルト防水のおいて、部分的に下地に密着させてふくれを防止する工法なのですが、その他の防水工法においても一般的に使われるようになってきています。)

 

たまに防水層がボコボコ膨れているのを目にすることがあります。

 

これは下地に水分が残っているのを考えないで、上から新しい防水層を「接着工法」「密着工法」によって施工しまったからです。

 

接着工法・密着工法とは?

 

接着工法とは、主に合成ゴム系シートや合成樹脂系シートなどの合成高分子系シート防水を新しい防水層とし、下地を調整して新規の防水層をボンドなどの接着剤によって下地にびっちり張り付けていく工法です。

 

密着工法とは、主に塗膜防水を新しい防水層とし、下地にプライマーを塗って、液体の防水材を流していきます。

 

 

いずれも下地にしっかり密着させる工法なので、水分が溜まっていない場合に使えるのですが、下地に水分が溜まっているときにこれをやってしまうと、先ほど述べたようにボコボコ膨らんでくる、それ以前に密着・接着できていない可能性が高いです。

 

そうならないために、密着工法の代わりに施工するのが「絶縁工法」です。

 

この工法で防水層を設置すると、気温が高いときなどに発生する下地からの蒸気によって、防水層が膨(ふく)れる事を防ぎます。

 

下地から蒸気がでると、通気層のなかを蒸気が自由に移動し、最後は終点である脱気装置脱気筒や脱気板など)から外部に脱出します。

 

絶縁工法は、様々な防水工法で採用されています。

 

下地の状況、予算、工事中の環境などを考えて、最適な防水仕様を考えていきましょう。

 

次の記事では、「改質アスファルトシート防水」、「塗膜防水」、「合成高分子系シート防水」に採用される「絶縁工法」についてみていきます。

 

下地に水分が残っていても施工出来る絶縁工法の具体例は?
→ 「主な防水の絶縁工法は?」
 
やるべき場所に絶縁工法をしなかった!!
→ 「防水施工の不具合(シンダーコンクリートの上にウレタン塗膜防水)」

 

 

 

 

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