大規模修繕工事を成功させる「ゴムシート防水の長所」

ゴムシート防水の長所・利点とは?

ゴムシート防水長所・利点とは?

 

一般的に、シート防水として認識されているのが、ゴムシート防水です。

 

ゴムシート防水とは、通常1.0㎜~2.0㎜の厚さで形成された、合成ゴム系のシートを使った防水システムのことです。

 

新築時の防水工事アスファルト防水が多い中、安価であること、施工性がいいことなどの要因で、ゴムシート防水が用いられることが多いです。

 

また改修工事でも、コストパフォーマンスに勝るゴムシート防水が採用されることが多いです。

 

 

 

ゴムシート防水。

<写真>
ゴムシート防水。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴムシート防水の防水層は1枚ではありますが、耐候性に優れており、シート自体は非常に強く信頼できる防水です。

 

 

主な工事工程(密着工法)は、

 

プライマー塗布

 

下地とゴムシート貼り付け面両方にボンド塗布

 

③オープンタイムを待って貼り付け

 

トップコート塗布  などです。

 

 

その他に、シート間のラップ部分にブチルテープを貼り付ける、端末部押え金物設置とシーリング処理などがあります。

 

 

工法としては、密着工法絶縁工法もあります。

 

密着工法は、通常の工法と断熱工法があり、通常の工法とは上記の①~④の工法で施工されます。

 

断熱工法は、シートの下に断熱材を設置します。

 

 

絶縁工法は、機械的固定工法と、 通気層を有したシートを使う工法の2種類があります。

 

通気層を有したシートを使う工法は、一部の防水メーカーが出しており、シートの下層に4㎜のやわらかい樹脂シート(通気層)を積層した特殊なゴムシートで施工される工法です。

 

しかし一部のメーカーしか保有していないので、一般的な工法とはいえません。

 

 

機械的固定工法とは、アンカービスと円形ディスクで機械的にシートを固定していく工法です。

 

機械的固定工法には、通常工法と断熱工法があり、

 

通常工法の一般的な工程は、

 

①シート設置

 

②アンカー・ディスクでシートを固定
 (通常はシートとシートの重なり部)

 

①~②を繰り返し

 

③トップコート塗布  などです。

 

 

②の過程では、シートとシートの重なり部でなく、シートのド真ん中にアンカー・ディスクを固定する場合がありますが、その時は最後にディスクを部分的なシートを接着して覆います。

 

断熱工法は、密着工法の場合と同様に、シートの下に断熱材が入ります。

 

この場合、通常工法よりも断熱材の厚み分、長いアンカービスを採用しなければ、強度不足になります。

 

 

断熱工法や絶縁工法は、直接下地に防水シートが密着する訳ではないから防水シートが下地の影響を受けず、コンクリートひび割れははじめから問題ありません。

 

しかし密着工法に関しても、ゴムシートは伸縮性が優れているので、ある程度の下地のひび割れには追従することができ、余程のことがないかぎりはすぐに破断することは少ないです。

 

ためしに十数年経った建物の密着したゴムシート防水をみてみると分かるのですが、下地コンクリートに多数のひび割れが起こっていることがあります。

 

目に見えて大きなひび割れとわかるのですが、それでもゴムシート独自の伸縮性によって追従しています。

 

これがゴムシート防水の特筆すべき長所のひとつです。

 

 

ゴムシート防水の下地コンクリートに入っているひび割れ。

<写真>
ゴムシート防水の下地コンクリートに入っているひび割れ。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安価で材料が強いゴムシートですが、やはりいいことばかりではなく、知らなければならないことも多々あります。

 

後の記事で注意したいことを簡単に記していきます。

 

知らないと怖い「ゴムシート防水施工上の問題」とは?
→ 「ゴムシート防水の欠点・デメリット」

 

上からウレタン防水ってできるの?
→ 「防水施工の不具合(ゴムシート防水の上にウレタン塗膜防水)」

 

 

 

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