大規模修繕の竣工清掃(汚れをなくす)
大規模修繕工事も竣工に近づくと、養生を行っていても汚れている箇所が多いのに驚きます。
それらを取り除くために行うのが、「竣工清掃」です。
前回の記事<大規模修繕の竣工清掃(チリ・ホコリをなくす)>では、
「マンション大規模修繕の竣工清掃には、3つのなくすものがある」 といいました。
その中の一つに、「汚れをなくす」があります。
「汚れをなくす」
養生をしっかり行っていても、塗料やモルタルが付着することがあります。
大規模修繕の清掃(塗料付着を除去)でも挙げましたが、ガラス面に着いた塗料などの汚れはスクレーパー(カッターの芯)や溶剤を用いて取ります。
この際、キズを付けることがないよう、細心の注意を行います。
また、ガラス面・サッシ枠とも、コンクリートやタイル面の補修時に出たホコリでかなり汚れています。
これをそのままにしないよう、気を付けて下さい。
窓の汚れを取るには、スクイジーが本当に便利です。
清掃の方法は、塗れ雑巾で窓を拭き、その後でスクイジーで窓ガラス表面に残った水分をかき取るだけです。
すでに使用したことのある方は、使用後の爽快感を味わったことがあるでしょう。
使ったことのない方は、だまされたと思って一度使ってみて下さい。
窓清掃では手放せなくなるはずです。
アルミの格子や手摺なども、塗料などが付着していれば溶剤系のものやアルミ専用のクリーナーなどで汚れを落とします。
その際、アルミ表面の塗装を侵す可能性がありますので、目立たない場所での確認が必要です。
金物に限らず、溶剤で表面が侵される長尺シートなどの仕上げ材もあります。
施工に当たっては、十分に注意を払います。
このような建物内は比較的気付きやすく、居住者の目にも留まりやすいのですが、気付きにくい場所もあります。
例えば植え込みなどです。
植え込み内に塗料が落ちても、「どうせ土に紛れるから構わない」という方もおられます。
たとえ管理組合の方がそういったとしても、出来うるかぎり取るべきです。
全部が難しいとしても、目立つもの、取れるものは除去します。
<写真>
植栽のレンガに付着した塗料。明らかに工事で付着したと分かる。
<写真>
植え込みのレンガに着いた塗料を除去したところ。
出来得る限りのことはすべき。
上の写真は、1階居住者の方の専用使用の庭です。
土の上のゴミ、塗料の欠片(かけら)は清掃したのですが、レンガの上に付着している塗料を見付けました。
うすめ液、ワイヤーブラシ、雑巾を併用して塗料を除去し、元に近い状態まで戻します。
<写真>
足場撤去後の植え込み内の様子。
ごみに紛れてタバコの吸い殻がたくさん落ちていた。
上の写真は、植え込み内にしか足場を立てることができなかった箇所です。
作業を終えて足場を撤去したときに、ごみと共にタバコの吸い殻が多数出てきました。
作業員は仮設詰所内でしか喫煙しませんし、吸い殻自体が古いので、以前からあるものと推測します。
「自分達で出したわけではないので、そのままにしておこう」ではありません。
以前よりもきれいに竣工清掃を行って、初めて満足される大規模修繕が完了するものと思われます。
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