竣工清掃でどこまできれいにできるか?

大規模修繕の竣工清掃(工事の気配をなくす)

大規模修繕の竣工清掃(工事の気配をなくす)

 

マンションの大規模修繕工事も竣工検査の前後になると、現場に残されているものは、竣工を伝える工事用掲示板や、念のため残しておいた塗料や防水材のトップコートなどになることでしょう。

 

竣工検査が無事終了すると、最終的に引渡しが行われます。

 

竣工清掃も済んでおり、手直しがあった場合のために残しておいた塗料なども引き上げます。

 

残りは、竣工検査が無事終了し、管理組合の皆様への工事中のお礼の文章を掲示する工事用掲示板のみです。

 

その掲示もマンションの掲示板のスペースを借りて行ってしまえば、工事用掲示板自体、早々に撤収できます。

 

そうして工事に関するもの全てがなくなりました・・
でも、念のためもう一度見直してください。

 

思わぬところに、「工事の気配」が残されている可能性があります。

 

そんな盲点は二つ、

 

●見慣れて「当たり前」と思うところ
●滅多に目にしないところ    です。

 

 

見慣れて「当たり前」と思うところ

 

マンションの大規模修繕工事は、規模によって、また工事の内容によって工事期間が変わってきます。

 

しかしほとんどの工事が月をまたぐほど長期間に及ぶことに違いはありません。

 

その長期間のうちに、もう見慣れてしまって、「前からあったものかな」と勘違いされるものが「まれに」あります。

 

工事用のポストもその一つです。

 

居住者の皆様からの質問・要望などを受け、施工業者からのアンケートなども受け付けてきた、工事を進めていくうえで大切な役割を全うしていたポストです。

 

この功労者、まれにですが、工事後でも忘れ去られていることがあるそうです。

 

・・・そうです。と、いうのは、私どもが直接見たわけではなく、大規模修繕の経験がある管理組合の方々から聞いたものです。

 

話を聞いたところ、施工会社が用意した台や棚を利用している場合は忘れられることがないみたいです。

 

問題はエントランス内の台などを借りて置いていたときのようです。

 

この場合、若しポスト自体に「工事用ポスト」や「アンケートボックス」という表記がない場合、あたかも以前からそこにあるように感じてしまうようです。

 

そして施工会社が忘れるのみでなく、管理組合も「管理会社からのアンケート」や「総会の出欠返答」などをいれてしまうとのことです。

 

役に立つのならいいのですが、そこに大事なものを投函してしまうことでとんだ行き違いやあらぬトラブルを引き起こしてはいけません。

 

用が済んだポストは、忘れずに持ち帰るようにしましょう。

 

 

 

滅多に目にしないところ

 

可哀そうな工事用ポストのように、目につく場所にあり置き去りにされるものは本当にまれのようでそう簡単には現れません。

 

しかし、普段居住者の方々が目にしない場所では、比較的頻繁に置き去りにされているようです。

 

日頃目にしない場所とは、

 

・屋上、屋根
・倉庫
・建物の入り組んだところ などです。

 

屋上屋根は、普段居住者が上がることは少なく、気付きにくい場所の一つです。

 

忘れものとして、防水材や掃除道具などが多いようです。

 

なかには、あってはならないことですが、どこのお宅のものかわからない物干しざおやプランターなんかも屋上に置き去りにされていることがあります。

 

そんなものが屋上にあるなんて、お宅のマンション、ちゃんと竣工検査しましたか? といいたい気持ちはグッと押えて。

 

 

倉庫は、普段マンションが掃除用具や備品、イベントに使う道具などを入れておく場所を、工事資材を保管するために貸して頂くことがあります。

 

そのため竣工した後も、明らかに工事に関係したもの、例えば塗料や防水材、養生材などが置き去りにされていることがあります。

 

ここでは例外があり、「今後なにかありましたらお使い下さい。でも工事は我々に任せて頂ければ幸いです」といい、修繕に使用したタイルの余りや、長尺シートの余りなどをマンション側と協議の上、そのまま置いておくという場合があります。

 

それ以外のものは、竣工時に早々と撤収させるべきです。

 

 

敷地内のマンション壁際などは、外部も、建物内からも見えにくい場所があります。

 

仮設倉庫を撤去した後に、仮置きとして普段は見えにくい箇所にコンパネブルーシート養生し、塗料や防水材のトップコートなどを置いている場合にも、それらの置き去りが起こります。

 

居住者、第三者が全く来ない場所ならばいいですが(よくないですけど)、小さなお子さまやイタズラが好きな人に見つかったら、とんでもない事態になりかねません。

 

最後に敷地内をくまなく見回って、置き忘れがないか確認しましょう。

 

 

見えにくい場所といえば、階段室の最下部、最上部なども当てはまります。

 

普段は居住者が来ないからといって、最下階のくぼみ部分、または階段室の一番上の踊場や階段部などに、塗料缶や防水材を置いていることがあります(本来は資材置き場などに保管したいものです)。

 

これらも竣工検査が終わった後、忘れ去られている場合があり、最上階の忘れ物は機械のメンテナンスの方が見付けて管理組合に報告するという事例もあります。

 

他の方に見付けられて気付くとやはり恥ずかしいものです。

 

最後の見回りも、清掃と共にしっかり行いましょう。

 

 

 

いずれの場合も、竣工してもまだ工事が残っているようなスッキリしない気持ちになります。

 

最後の最後、いい工事をしてくれたという余韻だけを残して、工事を終えたいものです。


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