大規模修繕の竣工清掃(チリ・ホコリをなくす)
大規模修繕も終わり(竣工)に近づけば、管理組合への「引渡し」のための動きをとるようになります。
その中でも最後の方に行われるのが、「竣工清掃」です。
工事中も、定期的に清掃を行っているはずなのに、現場になっているマンションと敷地内は絶えず動いていますので、完璧にきれいにすることは難しいことです。
普段から居住者のみなさんが生活しているマンションも、工事仕様と呼べるくらいに、少し薄汚れてきます。
竣工時には、建物がきれいになる以上に、「以前よりもきれいになった」と思われたいです。
汚れが出るような工事がなくなってくると、竣工清掃を始めます。
マンション大規模修繕の竣工清掃には
「3つのなくすもの」があります。
それは、
「ちり・ほこりをなくす」
「汚れをなくす」
「工事の気配をなくす」 です。
「ちり・ほこりをなくす」
工事中は、劣化したモルタルやコンクリート、塗装など、様々な粉塵(ふんじん)がマンション内を舞います。
それらがいたる所に溜まり、本当は黒や茶色のアルミ金物が「まっしろ」になったり、敷地内の植栽が白くなったりすることがあります。
その他、日々の清掃でも気が付かないような場所へもチリ・ホコリが溜まり、工事中の雰囲気を作り出す一因になっています。
そんなホコリも竣工清掃で「一網打尽」にいたしましょう。
チェックする箇所は、屋上、外構全般、パイプシャフト内(水道メーター上やパイプの上など)、通路上に通っている配管の上、ボックス類の屋根、窓のサッシ溝、排水ドレイン付近 などです。
屋上に関しては、大規模修繕の際に改修をしていない場合、ごみやホコリが溜まっていることがあります。
工事も終盤にかかり、屋上改修はしないけど、トップコートだけは塗りましょうというとき、明らかに汚れが堆積しているのに高圧洗浄水のみにより表面清掃してはいけません。
汚れが周囲に飛散するばかりでなく、ゴミが排水ドレインに流れ、樋を詰まらせるおそれもあります。
高圧洗浄の前に床面の清掃をしっかりするか、あらかじめ小さな水圧の水でゴミを集めてから本格的な洗浄を行うようにしましょう。
外構に至っては、植栽に溜まったチリ・ホコリはでき得る限り落としましょう。
そうしないと、せっかく掃除したのに風が吹いて飛んできて、「また汚れちゃったよ」となることが多いからです。
駐車場も同じです。
普段から目に見えるごみを拾っていた場合も、竣工清掃時に竹ぼうきで掃いていくと、結構な量のゴミが溜まっていたことが分かります。
<写真>
駐車場の清掃前。見た目はあまり分かりませんが・・・
<写真>
駐車場清掃後。アスファルト表面が脆弱で取れているものもあるが、それ以外のゴミもかなり溜まっていたことが分かる。
余談ですが、竹ぼうきを使用するときは、周囲にキズがついてはならない車両などがないことをよく確認する様にしてください。
竹ぼうきに はじかれた砂利などがバチバチあたる恐れがありますので。
目に見えない箇所も、しっかりした会社が行う場合、清掃は進みます。
しかし見落としてはならない箇所があります。
それは「自動ドアの下枠(みぞ)」です。
施工会社が清掃を忘れたまま竣工すれば、管理組合や清掃を委託している業者に清掃させてしまうことになります。
それは出来れば避けたいです。
人が通るたびに開閉を繰り返す、狭い場所なので掃除しにくいなどの言葉が聞こえてきそうな箇所ではあります。
しかし、仕方さえ覚えれば、ものの数分で済ますことが出来ます。
先ず、人の往来がないことを確認し、自動ドアの電源を切ります。
次にドア付近のチリを掃きます。
そしてきれいになった場所に溝の型に沿ってマスカーを貼り付けます。
マスカーめがけて一気にチリ・ホコリを集めます。
マスカーを取ります。
<写真>
自動ドアの溝の清掃前。
大規模修繕工事のゴミが溜まっている。
<写真>
自動ドアの溝の清掃中。
一部をきれいにしてそこにマスカーを貼る。
<写真>
自動ドアの溝の清掃。マスカーにゴミを集めて剥がす。
溝の中央部も同じ要領で清掃します。
簡単です。
チリもホコリも限りなくゼロに近くし、マンションを早く正常の状態に戻しましょう。