みえざる敵
順調に工事が進んでいく中、「またやられましたよ」という職長の顔は、くたびれてました。
職長とともに事件現場について、二人でため息を漏らします。
めったにないことなのですが、打ったばかりのシーリング材や、塗ったばかりの塗装面がいたずらされることがあります。
シーリング材は 仕上げのヘラできれいに均されたあと、塗装面は ローラーなどできれいな模様を付けたあとなので、たまったものではありません。
<写真1>
階段室壁面。マスチックローラーで模様付けを行ったあとで、指によるいたずらをうける。
<写真2>
こちらも階段室腰壁。同じくマスチックローラーで模様付けを行ったあとで、指によるいたずらをうける。
<写真3>
模様付けの塗装にいたずらしたあと、他の場所のかべになすくりつける。
いたずらを受けた箇所のみを後日、再度模様付けし直します。
しかし、他の壁面と比べるとやはり模様が違ってみえます。
そしてその部分だけのために、工程がずれていきます。
おもしろいもので、全くそのような問題が起きない現場が大半の中、そのようないたずらをされる現場は、連続して被害に遭います。
「同じいたずらっ子がするんだろ」と思われるでしょうが、お子さんだけではなく、大人と思われるいたずらも確認されました。
<写真4>
<写真5>
養生用のマスカーに溶かされたようなあとが付いている。
写真4,5は、タバコかなにかの火などで溶かされたような跡がついていました。
どれも軽いもので、工程には支障がないのですが、溶剤系の材料を使用していたとすれば、被害が拡大していた可能性もあります。
施工業者は、工事説明会やお知らせで、仕上げ材(シーリング材・塗料など)がいたずらを受けた時にどのようなマイナス面があるか、現場でむやみに火気を使用したらどんな危険性があるか、などを強調して伝えるべきでしょう。
そして工事説明会に参加して下さる居住者の方も、施工業者の説明内容をご家族、特にお子さんにしっかり伝えて頂ければ幸いです。