ゴミステーションの設置は事前確認を(2)
前の記事では、マンションのゴミステーション(ゴミ置き場)にフェンスを新設する際の「大きさ」や「申請」などのお話しをさせて頂きました。
ここでは、「フェンスの周辺にも注意を払いたい」というお話をします。
例えばごみ置き場には、水道の蛇口が設置されていたり、地面に散水栓があったりします。
これらがフェンスによるゴミステーションが出来た際に問題なく、円滑に使用できるかどうかも推測すべきです。
又、中には消防用の送水口付近という場合もあります。
送水口とは、万が一火事が起こった際に、消防車がそこへ送水用の大きなホースを繋げ、消火活動を行うというものです。
この場合、留意する点は、万が一の場合に消防活動の妨げになってはいけないという事です。
送水口には、主に2種類の形状があり、一つは壁への埋め込み式、もう一つは床からの立ち上げ式です。
埋め込み式の場合は余程送水口とごみ置き場のフェンスが近くない限りは、問題ないと思われます。
しかし、立ち上げ式で二股に分かれている場合は、消火用のホースを斜めに差し込むので、フェンスが近くにあるとホースの設置作業に支障を来します。
若しホースを繋げたとしても、ホースに水が流れると、ものすごい水圧が掛かり、フェンスに当たってしまう可能性があり、やはり消火活動に支障を来す事になります。
ホースを繋げる為に、付近の設置物との距離を○○だけ離すという明確な基準は無い様ですが、ある程度離した場所へ設置することが大事です。
ちなみにとある地域の消防署へ問い合わせたところ、「高さの決まりはありますが、水平方向のキョリに明確な決まりはないと思います。ホースが差せればいいですよ。でもホースへは大きな水圧が掛かるのは事実です。それによってフェンスを壊してしまう恐れは否めません。」と、逆に今から新設されるだろうフェンスの心配をして下さいました。
「それよりも、ブロック等で新しくごみ置き場を作成する場合は、送水口が見えなくなり、位置の確認が遅れる可能性がありますので熟考して頂きたいです。」と、今後の為にアドバイスもして下さいました。
心配ならば事前に地域の消防署へ図面を持って聞きに行くのも良いと思われます。
又、扉についても考慮しなければなりません。
場所によっては、観音開き(丁番が付いて、前に開くタイプ)を設置出来ないことがあります。
これは前面に道路や歩道があり、扉を開ける事で車両や歩行者に危険が及ぶ可能性があるからです。
事前に環境局等へ問い合わせてみると良いでしょう。
若し観音開きが不可能ならば、引き戸タイプやカーテンレールがありますので、そちらで見積します。
扉の位置も考慮します。
真ん中に設置するのか、端に設置して左右どちらかの奥行きを広くとるのか、居住者と収集する方、双方の使い勝手を考えてどちらにするか決めます。
事前調査にて判断するのも手ですが、やはり管理組合に確認した方が間違いないでしょう。
扉には鍵を掛ける様にし、ごみの日以外は開かない様にすれば、不法投棄などの問題も減らせるでしょう。
これまでフェンスの場合の話をしてきましたが、他にもアルミの倉庫タイプなどもあります。
こちらはごみを見えなくする等の意匠性に対するメリットがありますが、値段が張るので私は見積したことがありません・・・あしからず。