大規模修繕工事を成功させる「居住者に好かれる人」

居住者に好かれる人、嫌われる人

居住者に好かれる人、嫌われる人

 

大規模修繕工事の作業中、マンション居住者の方と敷地内ですれ違うことは少なくありません。

 

作業員が二人並んで歩いていて、居住者とすれ違う場面では、どのパターンの印象がいいでしょうか?

 

 A.元気よく雑談をしながら、居住者の横を通り過ぎる
 B.終始無言で歩きながら、居住者とすれ違うときは「こんにちはー!」と元気よく挨拶する。
 C.少し雑談をしながら、居住者とすれ違うときは「こんにちはー!」と元気よく挨拶する。

 

Aは元気がいいのではなくて、ただのおちゃらけ作業員。
Bは文章を読むだけでは印象が良さそうですが、実際に思い浮かべてみます。
・・・(工事の人と思われる二人組が無表情でこちらに歩いてきている)
・・・(仲悪いのかな?会話がない)
・・・(二人でいるのに何かしゃべらないのかな?)
・・・(近づいてきた・・・!)
・・・・「(満面の笑みで) こんにちはー!!
・・・(!!! びっ・・・くりしたー・・・ )
という具合で、非常に不自然です。

 

一番自然で印象にいいのは C で、雑談であれ仕事の話であれ、二人並んでいれば会話をするのが普通です。
大声や不適切な会話でなければ、すれ違いざまに挨拶をされる方も、快く、自然に挨拶を返せます。

 

居住者の方は、一生懸命、そして楽しんで仕事をしている人に好意を覚えます。 決してただ話しやすそうな人が印象がいいわけではありません。仕事に対する気持ち・姿勢が、態度に表れるのです。

 

 

以前、ある下地の職人さんのことが、居住者間で有名になっていました。

 

「あの人!ヘルメットに○○って名前書いている人!一見恐そうだけど、顔をくしゃくしゃにして挨拶してくれるのよー! どんなことしてるのかなーと思ってのぞいていたら、丁寧に教えてくれたの!わたしなんかに一生懸命説明してもお金にならないのにねー!」って、言うのです。

 

それがその人だけでないのです。

 

他の居住者の方々からも良い評判を沢山聞きました。

 

仕事熱心で手も早いのですが、最後の詰めが甘く、仕上がりはもう少しと感じていて、それは本人も分かっており、精進している最中でした。

 

その工事の中間検査の際、塗装の下の下地補修の仕上がりが多少目立つ箇所がありました。

 

しかしそれを誰かが指摘しても、「この補修は難しいらしいからねー」、「補修なんだもの。新築には戻らないよ」と、その職人の言葉を思い出しながらか、そういうことを言って通り過ぎ、検査はなんなく終わりました。

 

そして竣工後の定期点検でも、居住者の方から出てくるのは、職人さんたちの態度がよかったこと、その中でもあの下地の職人さんのことは印象に残っているようでした。

 

本当に仕事に対して、現場であるマンションに対して真面目だったんだな、と感じました。

 

結構な割合の職人は、その現場はただの現場、汚れれば言われて掃除する、はやく5時になってあがりたい、挨拶めんどくさいなー、新築現場の方がそこらへん楽だな、という気持ちを少なからず持っています。

 

人間が思っていることは、良くも悪くも言動に出ます。そしてそれは仕上がり以上に人々の心の中に残り、何年経過しようが、印象に残るものです。

 

同じ印象に残るなら、いいほうがいいに決まっています。

 

しかしそれは表面的な取り繕いではだめです。自分が今からそこに住むくらいの気持ちで、本当にマンションのこと、居住者のことを考えて工事をすれば、おのずとそれが体から滲み出てきます。

 

人の性格はそう簡単に変わりません。年を取れば取るほどなおさらです。

 

しかし考え方ひとつで工事がスムーズに進み、何年経っても人に感謝され、それが巡り巡って自分たちの仕事が増えることになるならば考えの一つや二つ、変えてみてもいいのでは?

 

 


ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME