大規模修繕工事を成功させる「現場での火事の防ぎ方」

大規模修繕現場での火事を防ぐ

現場での火事を防ぐ

 

建築現場で起こる火災、あなたも聞いたことがあるでしょう。

 

多くの人の手で新しく造ろうとしている現場、またはみんなで一生懸命修繕している現場などでそれは起こってしまいます。

 

あってはならない、起こしたらいけないと思っているのに起こる。

 

どうしてでしょう。

 

火災が起こる原因は主に、

 

 ・タバコの吸い殻からの引火。
 ・溶接作業、グラインダー等を使用した際に可燃物に引火。
 ・放火。
 という3点が考えられます。

 

余程のことがない限りは、自然に起こることはまずありません。

 

ほぼ全てが、人が起こす災害(人災)です。

 

 

具体例を挙げ、予防策を考えます。

 

<タバコの吸い殻からの引火>

 

詰所現場事務所内で、休憩中にタバコを吸い、吸い殻入れに入れたはいいが、その中に水が入ってない、若しくは火を消すための水入れが用意されてなく、吸い殻入れの中で火種が大きくなり、火災につながった。

 

●屋外の喫煙所付近に塗料のネタ場があり、タバコを吸った際に火種が塗料の溶剤に引火し、火災につながった。

 

●喫煙所ではない、足場の上や屋上などで喫煙し、火種が塗料や防水材などに引火し、火災につながった。

 

近年、完全禁煙、またはごく限られた場所でしか喫煙してはならないという、喫煙者にとっては非常に肩身の狭い工事現場が増えています。

 

その状況下でも、タバコによる火災が起こってしまう要因は、 「この程度の小さな火ごときで」 という、ナメた考えがあるからでしょう。

 

昔、競輪場内の車券売り場や観覧席は、新聞やはずれ車券がたくさん床に散らばっていました。

 

そこに火の点いたタバコをポイ捨てしたおじさんがいて、その火が新聞に引火してしまったのを目撃したことがあります。

 

幸い、近くにいた他のおじさん達によって、火は消し止められました。

 

あれも一つ間違うと、大惨事になりかねません。

 

喫煙者の方はご存知と思いますが、タバコの火の温度は、700°~800°ともいわれています。

 

メラメラと燃え盛っているわけではないので、ライターなどの炎よりは低温です。

 

しかし小さいながらも、立派な「火」には違いありません。

 

だってタバコが灰になっていくのですから。

 

タバコによる火災を防ぐには、

 

●吸い殻入れは常に水を入れておく。 
 若しくは、水を入れた容器を用意しておき、その中で火を消さないと捨てられないルールを作る。

 

●建築材料のネタ場や資材置き場から離れた場所を、喫煙所にする。

 

●喫煙所以外では、絶対にタバコを吸わない。

 

ただでさえ喫煙者の立場が弱くなっているのですから、しっかりルールを守って、「法令で、工事現場でタバコを吸うことが出来なくなりました」なんてことにならないようにしましょう。

 

 

<溶接作業、グラインダー等を使用した際に可燃物に引火>

 

●グラインダーを使用して、コンクリートの不要な鉄筋を切断して出た火の粉が、段ボールや、仮設作業の際にでた木の粉に引火し、火災につながった。

 

●現場での溶接作業をしている下で、塗装工事が行われており、塗料缶の中に溶接の火花が入り引火、火災につながった。

 

●鉄製の手摺をガス切断機によって切断している付近に、当日搬入されたウレタン製の断熱材が置かれていたために引火、火災につながった。

 

火を使う作業の周りに、可燃物を置かないということは、言うに及ばず常識です。

 

安全作業の「基礎」も理解していない現場が、この手の火災を引き起こします。

 

溶剤系の塗料・防水材は、揮発性が高く、引火すると爆発する危険性もあります。

 

又、ウレタン材などで製造される断熱材は、非常に火が付きやすく、一旦引火すると、アッという間に燃え広がります。

 

ウレタン系の断熱材は、繊維系のロックウールグラスウールなどと比べても、断熱性がよく、扱いやすいのですが、「燃えやすい」という欠点があります。

 

こういう点を踏まえ、現場での対策を図ります。

 

●火気使用時は「火気使用計画」を作り、安全対策を具体的に立てる。
 可燃物を使用する作業を並行しない。

 

●火元監視人を必ず配置する。もっこ とは

 

●周囲の可燃物を撤去する。

 

●火気養生(防炎シート、スパッタシート、カーボンクロス、霧吹き 等)を施す。

 

●消火器・バケツを複数用意する   などなど。

 

 

<放火>

 

●深夜、足場のメッシュシートに火を点けられた。
 幸い、防炎だったので、広く延焼することはなかった。

 

●現場事務所の裏に置いてあった、たたまれた段ボールに火を点けられ、火災につながった。

 

●産廃ボックスに火を点けられ、火災につながった。

 

放火は犯罪です。

 

それを行う人間がいる限り、どうにかして火を点けにやってきます。

 

それを未然に防ぐために、最大限の対策を取ります。

 

●防犯ライトやカメラの設置。

 

●可燃物を外に置かない。

 

●足場内に入られない様、処置をする。

 

●産廃ボックスは、防炎シート・モッコなどで完全にフタをする。

 

●見回りの強化(余程の場合)   などなど。

 

 

 

繰り返しますが、火災の発生は、ほぼ「人災」です。

 

注意しすぎることはありません。

 

一人一人がしっかりと安全意識を持ち、工事を無事に進めましょう。

 

 

 


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