着工前の「現場打ち合わせ」のポイントとは
着工前に、職長や協力会社を呼んでの現場打ち合わせを開きます。
足場、補修、電気、シーリング、塗装、防水 等の、現場に携わる方々です。
現場が始まってからもミーティングは行われますが、全職種の職長が集まる時はめったにありません。
又、足場がある方がバルコニー内などは見やすいですが、足場がない時の方が全体を見られて説明し易いです。
始まる前に、ざっと全体を把握して頂く事が、スムーズに工事を進める秘訣です。
又、様々な取り合いの打ち合わせも、着工前の落ち着いた状態ですと明確にし易く、打ち合わせが終わった後の、「議事録」とまではいきませんが 「簡単な打ち合わせメモ」を用意すれば、言った言わないの問題がなくなります。
打合せ時に最低限用意したいものは、工事の概要書、全体工程表、見積項目が分かる仕様書、工事用図面などです。
工事の概要書は、「(マンション名を含めた)工事名」、「住所」、「工期」などの、工事に関する概略が記載されてある資料です。
どんな工事なのか、主な工事内容も記します。
例えば、「足場は一部ゴンドラ作業あり」、「バルコニーは長尺シート仕上げ、一部ウレタン塗膜防水のみの箇所あり」、「屋上防水層は洗浄+部分補修+保護材塗布のみ」 のように、誰もが全体像を把握できるようにします。
全体工程表は、工事の大まかな流れを理解するために必要です。
「建物の形状が複雑なので、足場架設に時間がかかる」、「タイル面の劣化が激しいので通常より補修工事の期間が必要」、「防水工事との兼ね合いで足場を部分的に解体する期間がある」 などを、工程表を見ながら説明します。
面ごとやフロア(階)ごとに落としていく場合も、現時点の計画を大まかに話します。
仕様書は、工事の概要書では記載しきれない、工事内容の詳細を説明するときに必要とします。
足場の種類、外壁補修方法、シーリング材・塗料・防水材などの仕様や、その他工事などの詳細も全員で共有します。
工事用図面は、現状の仕上げパターンと改修後の仕上げパターンが分かるようにすると親切です。
既存がモルタル仕上げの窓の庇など、塗装にするか防水仕上げにするかなども明確にします。
屋上パラペットと外壁面の取り合いが歪(いびつ)になっている場所も、どこまでが壁面かを実際に現場を見ながら説明していきます。
以上の資料を用いて、工事の内容を皆で共有することも大事です。
それと同様に、近隣にも目を向けて、どういう点に注意を向けたらいいかなども話し合うと良いです。
ここまで、現場に関わる方々を集めての打ち合わせの話をしましたが、ここで最も重要な事は、足場の担当者にはそれよりもはるか前に現場にきて見てもらっておくという事です。
駐車区画や歩行者の通路の課題、そして近隣にどれだけ影響を及ぼすかなどは、はるか事前に情報を共有しておくべきです。
足場が立った後の打ち合わせも大事ですが、着工前のまっさらな状態のマンションにて考えを巡らせましょう。