大規模修繕工事を成功させる「工事説明会の進め方」

工事説明会の上手な進め方

工事説明会の上手な進め方

 

 

受注が決まれば、なるべく早い時期に工事説明会を行いましょう。

 

居住者の皆様のために、少しでも多くの準備や周知の期間を設けるためです。

 

開催の段取りは、管理組合管理会社)が行うことも、施工者が行うこともあります。

 

沢山の居住者の方が参加出来る日を選択します (平日の夜 や 土日の日中等)。

 

場所は、居住者の皆様が奮って来られる様な広さの場所がいいです。

 

マンションの集会所が広ければそこでも結構ですし、近隣の公民館や市民センターを借りてもいいです。

 

若し、十分な広さの会場を段取り出来ない場合は、説明会を複数回行って、少しでも多くの方に参加して頂くことを心掛けましょう。

 

開催の場所・日時が決まれば、掲示板に「工事説明会の開催」と銘打ったお知らせを貼り出します。

 

 

次に、説明会で配布する資料ですが、

 

 

   ・会社の説明

 

   ・主な工事の説明

 

   ・仮設計画の説明

 

   ・施工体制の説明

 

   ・工事中のお願い   などです。

 

 

「会社の説明」が長いとその後の話を聞いて頂けなくなります。披露宴の祝辞と同じです。

 

「弊社は昭和○年創業で ・・・ 建物修繕工事に特化し ・・・ 全国○か所に拠点を置くまでになりました・・・。そのわが社で○○君は・・・ 」 よくある風景です。

 

話している本人は大事な話をしていると感じても、聞いている方にとってはどうでもいいことです。

 

聞いている方は、自分たちにどんな有益な、楽しい話をしてくれるかを心待ちにしています。

 

それを裏切られたと分かったとき、聞く耳を閉ざしてしまいます。 

 

会社の説明はホドホドにしたほうがいいと思います。

 

 

施工者によって、どこを重点的に説明するかは差があるでしょうが、「仮設計画」と「工事中のお願い」は、省略せずにきちんと説明して頂きたいです。

 

「仮設計画」は、 

 

●どこに作業足場が立つか

 

●どこに現場事務所、仮設トイレ、廃材置き場等が設置されるか

 

クレーン車等大型工事車両が入る日があるか

 

●それらによって、駐車場の車をどれだけ移動しなければならないか

 

●使えなくなる通路・駐輪場はあるか

 

 

 と、実生活に直接影響を及ぼすので、詳しく説明し、理解をして頂く必要があります。

 

「工事中のお願い」は、工事が進んでいく上で、生活に影響が出る事柄を説明していきます。

 

その内容とは、

 

工事用掲示板は常に目を通して下さい。

 

●御意見・御要望は、工事用のポストにご投函下さい。

 

バルコニーの荷物は片づけて下さい。

 

●工事中、音と埃がでますので、御了承下さい。

 

●塗料やシーリング材等の施工仕立ては触らないで下さい。

 

●洗濯物干しが出来ない日がありますので、注意して下さい。

 

エントランスに衣類用乾燥機を設置いたしますので、御利用下さい。

 

●戸締りを十分にして下さい。

 

●作業中はカーテンを閉めて下さい。

 

●エレベーターを使用させて頂きます。

 

●作業内容によってはお車にカバーを掛けることがあります。

 

●お子様にも工事の事を理解して頂きます様、お取計らい下さい。

 

 などです。

 

 

前もって居住者の皆様に知ってもらっていないと、工事中のトラブルになり得る事ばかりです。

 

しかし、上記の項目だけでは足りません。

 

自身で居住者の皆様に知っておいて欲しい事を、「工事中のお願い」としてまとめて、分かりやすく説明しましょう。

 

一通り施工者からの説明が終わりましたら、参加された皆様からの質疑を受け付けましょう。

 

 

大規模修繕工事が1回目ならば、初めての事で居住者の皆様は心配なことが沢山あると思います。

 

若し、2回目以上ならば、過去の工事で感じた不満や違和感などがあるでしょう。

 

質問される内容は、どちらのマンションもある程度同じです(稀に変化球が飛んできます)。

 

過去の経験等から、ある程度の「質疑応答の例」をまとめて参考にしましょう。

 

質疑内容によっては、簡単に答えられるものもあると思います。

 

しかし施工者にとってはいつもの質問であっても、居住者に皆様にとってはおそらく初めての問いです。

 

わかりやすい言葉でしっかり伝えることが一番ですが、言葉で説明するだけでは納得して頂けるかどうか分からない場合は、簡単な資料を作成するといいでしょう。

 

例えば、「車のカバーとは、どんなものか?」の問に、「こんな感じです」と言って、写真や絵を見せたりします。

 

他に、「廊下の長尺シートとはこんなものです」と現場で余った切れ端を取り出し、さりげなく会場の方々にまわしても良いでしょう。

 

端的でもそのような資料があると、「しっかりと準備してくれてるんだな」ということを感じて頂けます。

 

 

可能ならば、説明会の内容を議事録にまとめ、掲示するか配布するのもスムーズな工事に結び付きます。

 

説明会に来られなかった居住者の皆様には、説明会の資料と議事録を配布すると良いでしょう。

 

皆様に同じ内容を理解して頂き、後のトラブル防止になります。

 

若し出来るならば、お子さんがおられる戸数分だけ、お子さん向けの「こうじちゅうのおねがい」を配布出来れば、親御さんも説明しやすいです。

 

施工業者によっては、小さなお子様向けの工事説明会なども行うこともあります。

 

 

 

工事説明会に関しても、「居住者の立場」で考えないと、施工者の押しつけになります。

 

工事中もマンションに住む方々の気持ちを酌み、親身になって資料作成・説明を行いましょう。

 

 

 

 

続きをみる →  工事用掲示板設置と着工のお知らせ

 

 

 

 

  

  

 

 

 

 


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