ひび割れの補修方法
コンクリート面や塗装面の ひび割れ は、劣化の理由も補修方法も様々です。
ひび割れの大きさなども確認し、どのようなひび割れかを判断する事で適切な補修工法を選定していきます。
主な補修方法を以下に記します。
<小さなひび割れ
(巾0.3mm未満:微細クラック、ヘアクラックと呼ばれることもある)>
コンクリート表面やモルタルの乾燥収縮によるもの、表面モルタル仕上げが極端に薄い場合、モルタルの調合時の不具合などの理由が考えられます。
コンクリートの躯体自体に多大な影響を与えるとは考えにくいですが、表面モルタルや塗装仕上げ面の劣化を引き起こす恐れがありますので、適切に補修する必要があります。
補修方法として、ポリマーセメントフィラー(薄付け出来る材料)をひび割れに擦り込む 「ポリマーセメントフィラー擦り込み工法」を適用します。
又、亀の甲羅状にたくさんの小さなひび割れがある場合は、全体的にポリマーセメントフィラーで下地調整を施します。
補修後は、ひび割れの再発がないかを確認します。
<大きなひび割れ(巾0.3mm以上)>
コンクリートの打継ぎや、コンクリートとモルタルの継ぎ目部分、または窓や建具の角などの、他の場所よりも応力がかかる箇所などに起こるひび割れです。
コンクリート躯体の影響を受けている可能性が強く、今後の躯体への影響も大きいと思われるので、入念な補修が望まれます。
補修方法として、サンダー(グラインダー)によりU型の溝を作り、シーリング材やポリマーセメントモルタルで補修する 「Uカットシーリング材充填工法」や、注射器のような入れ物をひび割れ部に並べて、エポキシ樹脂を注入していく 「自動式低圧樹脂注入工法」、エポキシ樹脂を専用のガンによってひび割れに注入する 「ダイレクトシール工法」 などがあります。
<挙動の大きなひび割れ>
外塀や、比較的動きが大きいと判断されるひび割れは、補修を行った後でも再発する可能性が高いので、コンクリートの打継目地と同等の目地を作成し、シーリング材を充填します。
頻繁に行われる施工法ではないですが、通常の補修で収まらないひび割れにはこの工法を適用します。
このように、ひび割れの種類によって補修方法も様々です。
補修が確実に行われる事が一番ですが、ただ治せばいいという訳ではありません。
補修後にミミズが這ったような仕上がりではないきれいな仕上げが、現場では求められます。