大規模修繕工事を成功させる「ALCの補修」

ALCも劣化する 補修方法は?

ALCも劣化する 補修方法は?

 

分譲マンションの構造は一般的に、鉄筋コンクリート(RC)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)です。

 

しかし中には超高層などで鉄骨造+ALCで建てられた建物も存在します。

 

 

ALCとは、「Autoclaved Light weight aerated Concrete」 の略称で、「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」 の事です。

 

なんのことやらという感じですが、現場作業で作られる鉄筋コンクリートと違い、工場にて製作されたALCパネルは、軽量で品質のばらつきもなく、様々な用途に使用されている材料です。

 

 

分譲マンションでALCパネルを使用している例は、高層マンションの主要部分、屋上高架水槽を設置している塔屋や、敷地内集会所などでも適用されており、無視できない存在であります。

 

内部に骨組みもあり強度はあります。

 

しかし鉄筋コンクリートのような強さはなく、地震をはじめとする建物の挙動に対して、ひび割れや表面欠損などは避けられません。

 

ひび割れや表面欠損を起こしてしまうと、ALC内部の骨組み(鉄製)が外気や雨水に触れる可能性があり、錆や腐食が発生します。

 

そうなれば鉄筋コンクリートと同様に爆裂を起こし、表面材料が剥がれてしまうという事態になります。

 

ALCパネルはあくまでパネルであって、劣化したところで建物の耐力に影響はありませんが、壁の剥落や漏水、構造体である鉄骨の劣化を引き起こすことに繋がりますので、早めに補修します。

 

 

ALCパネルを形成する成分はセメント(比重3.1)、石膏(同2.3)など、個々は重いのですが、作られる過程で 「軽量気泡コンクリート」 になります。

 

名前の通り軽くなりますが、どこまで軽いかというと、比重は0.65程度で、「水に浮くほど軽い」 です(コンクリートの比重は1.8~2.4程度)。

 

よって補修材も軽量なものを使用します。

 

ALCパネルの販売会社に専用の材料がありますので、そちらの使用をお勧めいたします(補修材料を取り扱う材料メーカーからも軽量断面修復材が出ております)。

 

欠損箇所の補修方法は、コンクリートの補修と同様に、脆弱部(もろくなっている所)を撤去した後に、補修箇所全体にプライマーを塗布し、断面修復材を充填していきます。

 

ひび割れ補修も、基本的に通常の補修方法を行います。

 

 

劣化する箇所は、パネル本体のみでなく、継ぎ手のシーリング材も劣化していきます。

 

この場合は、打ちしろがかなりある時は、新規に打増しします。

 

しかし劣化の状態をみて、打替えた方がいいと判断した場合や、打ちしろがない場合は、既存のシーリング材を撤去して、新規のシーリング材を打ちます。

 

 

この、既存のシーリング材を撤去する時は注意が必要です。

 

なぜならコンクリートやモルタルと違い、ALCパネルはカッターナイフで切れてしまうのです。

 

長尺の定規やアングルなどを用いて、なるべくきれいに撤去するよう心掛けます。

 

 

なんて書いておりますが、私もALCに関しては経験がまだまだ浅いので、もっともっと経験と勉強を重ねて皆様に情報をお伝えしたいと思います。

 

なので、ALC補修についての情報や補修経験を教えて頂ければ幸いです。

 

 

 


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