大規模修繕工事を成功させる「二面接着と三面接着」

二面接着と三面接着 どう違う?

二面接着と三面接着 どう違う?

 

シーリング材は、打設する場所によって成分が異なるもの、又、それに合うプライマーを使用します。

 

タイル面か、塗装面か、ガラス面かなどによってシーリング材の種類を変える訳です(→ 「シーリング材の適材適所」)。

 

それとは別に、打設する場所がどんな場所かによって、打ち方が変わります。

 

 

それが、「 二面接着三面接着 」 です。

 

 

構造上、挙動の可能性が高い(=よく動く)目地ワーキングジョイント」は、二面接着で施工します。

 

金属パネルやサイディング、金属笠木同士の取り合い等がそれに当たります。

 

二面接着とは、目地底にバックアップ材ボンドブレーカーを設置してシーリング材が付着しないようにし、硬化後のシーリング材が目地の動きに追従出来る様にする方法です。

 

上下、又は左右の2面にしか接着してない状態なので、シーリング材の伸縮が許される限り、目地の動きに耐える事が出来ます。

 

 

しかし、上下、又は左右の2面への接着力が弱ければ、また経年の劣化によって弱くなってしまえば、付着面からシーリング材が剥離してしまい、雨水が入っていきます。

 

この際、二面接着なのでシーリング材の裏側は躯体に付着しておらず、水が回り易い為に漏水の危険性が高くなります。

 

このことから分かる様に、二面接着を行う為の前提条件は、「強い接着力があること」です。

 

 

それ以外の条件は、目地深さがあること(バックアップ材を使用する場合、目地が浅いと、バックアップ材を設置することでシーリング材の厚み確保が出来なくなり、適切な施工が出来ない為)、目地自体が均一であること(適切な接着面積を確保する為)、低モジュラスのシーリング材を使用すること(硬化後もよく伸びる低モジュラスのシーリング材を使用しないと、目地の動きに耐えきれず、破断してしまう)等です。

 

 

又、二面接着の場合は、施工する季節や温度にも注意して施工しなければなりません。

 

 
<さむい時>
 寒い時に施工すれば、部材が縮んでいるので、幅広でシーリング材を打設する様になります。
 これが適温に戻れば、部材が元に戻り、シーリング材が押し出されるので膨れます。
 更に温度が上がれば、部材が膨らみ、更にシーリング材が押し出されます。 

 

<あつい時>
 暑い時に施工すれば、部材が膨らんでいるので、狭い場所に打設する様になります。
 これが適温に戻れば、部材が元に戻り、シーリング材が引っ張られるので引っ込みます。
 更に温度が下がれば、部材が縮み、更にシーリング材が引っ張られます(剥離の可能性大)。

 

よって二面接着は、出来れば部材の伸縮が少ない、春や秋にやりたいものです。

 

 

構造上、動きがない(小さい)目地(ノンワーキングジョイント)は、三面接着で施工します。

 

コンクリート打継目地誘発目地、窓枠廻りなどがノンワーキングジョイントに当たります。

 

三面接着とは、バックアップ材やボンドブレーカー等を使用せず、上下、又は左右、加えて目地底も全てプライマーを塗布し、全ての面にシーリング材を接着させる工法です。

 

目地底にもシーリング材が付着しているので、シーリングの裏に水が回って漏水に至る可能性が減ります。

 

このことから三面接着をされた目地は、防水性が高く、二面接着よりも浸水・漏水の心配がありません。

 

施工する場所によって、どのようにシーリングを施工するか、しっかりと判断し、工事を進めましょう。

 

シーリング材はどんなところに、どれを使っていいのか。
→ 「シーリング材の適材適所(施工場所にあった種類を)」

 

すでに打継目地シーリングから浸水!どう対処する?
→ 「内部に水が入っている目地シーリング材はどうする?」

 

 

 

 


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