浴槽のシーリング打替えってできるの?
このサイトは、マンション大規模修繕にまつわる色々な事を考えています。
マンションといっても、そう、一般的なマンションです。
ここではそうではないマンションの、浴槽やプール水槽へのシーリング材打替えについて書きます。
浴槽といっても、家のお風呂じゃありません。
プールといっても、ルーフバルコニーで遊ぶ空気で膨らますアレではありません。
大浴場やプールが設備としてあるマンションが、世の中にはあるのです。
プールが備わっているマンションは、皆さんも見たことがあるかも知れません。
しかし、私は大浴場が備わっているマンションにお目にかかったことはありません。皆さんはどうでしょうか。
実際に大浴場やプールが住んでいるマンションにある、という方もいるかもしれません。
それらの設備、浴槽や水槽の目地にシーリング材が打設されているのではないでしょうか。
通常、外壁や屋根の目地・入隅などにシーリング材は使用されています。
それらの場所のシーリング材は、常に水が掛かる場所でしょうか?
おそらく違うでしょう。
雨が降ったら雨水の侵入を防ぎ、雨が上がったらまた表面は乾燥する。
それの繰り返しです。
しかし、浴槽やプール水槽内部のシーリング材はどうでしょうか。
水が入っている間は、常に水がある状態です。
しかも雨なんかに比べ、ある程度の水圧も受けます。
浴場ならば高温になります。
殺菌のためのカルキや塩素も使用するでしょう。
当然、通常使用よりもシーリング材の劣化は早いです。
皆さんも、銭湯や温泉などで、シーリング材が肌別れしていたり、剥離していたりするのを目にしたことがあるでしょう。
こんな場所に、ポリウレタン系や変成シリコン系のシーリング材は使えるでしょうか。
使えません。
何が使えるかといいますと、熱にも強く、耐薬品性にも優れている、シリコン系のシーリング材です。
マンションではありませんが、病院・銭湯の浴槽で実践した施工です。
病院のときは、階下に漏水しているという状況でした。
通常は階下に漏水しない様、新築時に「アスファルト防水」を行っているはずですが。新築時はどうだったんでしょうか・・。
水を抜いて、既存のシーリング材を撤去して、新しくシリコン系のシーリング材を打設すればいいではないか。となりますが、話はそう単純ではありません。
常時水がある、しかも水圧が掛かった状態です。 内部にかなりの水分が入っていると考えて間違いないです。
私がこれらの浴槽で行ったことは、
●ひたすら蒸発させる。
●ひたすら乾燥させる。 の二つでした。
施設側に数日間(規模によって変わります)頂いて、最初の数日でシーリング材を撤去、暖房器具でひたすら目地内部の水分を蒸発させます。
次の数日間で、今度はスポットクーラーなどの冷房で、ひたすら乾燥させます。
施設の電源を使用させていただくので電気の確認、目地内部の乾燥状態の確認、スポットクーラーに溜まる水の世話など、定期的に見る必要がありましたが、良い施工が出来ました。
施工後の不具合もなく、安堵しました。
水槽・浴槽のシーリング材打替えのポイントは、
●蒸発・乾燥を徹底する。
●シリコン系シーリング材を使用する。
●どれだけの工事期間をもらえるか。 です。
マンションの場合は、強いて短期間で行わなければならない、なんてことはないと思います(偏見ですか?)。
十分な時間をいただき、しっかり施工しましょう。