大規模修繕工事を成功させる「マンション外観色の決め方」

自分たちのマンションの色は自分たちで決める

自分たちのマンションの色は自分たちで決める

 

足場を組み立てての大規模修繕工事では、塗装面タイル面などの劣化部不具合部を大々的に補修したあとで、新規に塗装工事が行われます。

 

管理組合によっては、「今のままでいいよ」と言われるマンションもあります。

 

たしかに施工業者にしてみれば塗り間違いなどの不手際が減り、さらに外壁が1色などの場合は大変やりやすく、施工性もいいです。塗料のロスも少なくて予算削減にも繋がります。

 

しかし、せっかくみんなで長い時間かけて貯めた修繕積立金、または一大決心して工面した借入金で塗替えをするのですから、気分を変える、周辺とのさらなる調和をとる意味で、新しい色合いに変えてみてはどうでしょうか。

 

施工業者が決まりましたら、工事説明会を開催します。その際、新規の色合いの話がなされるでしょう。居住者の皆様は、漠然とでもいいですから「こんな感じがいい」というイメージを施工業者に伝えて下さい。

 

施工業者によっては、カラーコーディネーターが所属している場合があります。その方が皆様からの要望を組んで、何種類かの外観イメージを作成します。しかしそのようなカラーコーディネーターを抱えていない施工業者が大半です。その場合は、施工業者が塗料メーカーに依頼します。

 

施工業者が塗料メーカーに、お客様のイメージの要望を伝えます。そして既存の建物の写真を撮り、それを元に外観イメージをCG(コンピューターグラフィックス)で作成します。

 

ここで居住者の皆様が挙げるイメージは、

 

 ●今よりも明るい感じ 
 ●もうちょっと落ち着いた雰囲気になるように
 ●周りの建物となじむような感じ       
   などです。

 

中には「周りの建物よりも目立つように」と、奇抜なイメージを要望される方もおられますが、大多数の方はそのような塗装は望んでいないのがほとんどで、CG作成段階から外されることが多いです。

 

いくら好きな色にしたらいいとはいえ、今後住んでいかれる皆様のことを考えれば、選べる色合い、選べない色合いというのが出てきますので、それはご了承願いたいと思います。

 

工事が始まりますと、掲示板やエントランスの一角に、CGで作成された外観イメージが貼り出されます。それを参考に、どれがいいかの投票を行います。

 

よくあるのが、A、B、C のどれがいいか、「正」の字を付けていって下さいという掲示です。

 

居住者の皆様が全て良識の持ち主と思われるマンションの場合は問題ありませんが、お子さんのいたずらもありますし、自分が気に入った色を何回か線を入れるという「事件」も起こります。

 

それを防ぐために、施工業者はアンケート用紙を各戸に配布することがほとんどです。これですと、上記の様な事件も起こりにくく、投票の正当性がでてきます。

 

何日までと期限を切り、多数決で最終的に決定します。
工事用ポストに投函して頂くことが一番スムーズに進みますが、マンション管理組合や施工業者によっては、管理組合用ポストへ投函していただき、理事長修繕委員会が集計して施工業者に伝える場合もあるようです。

 

こうすれば、確実にマンション側の意思で決定したことが誰にでもわかるからです。若し2つ以上のパターンの投票数が同じですと、施工業者の都合のいいパターンが選ばれる可能性があります。
しかし、そうなった場合は施工業者も短期で決選投票を行ったり管理組合・修繕委員会・または監理者に判断を仰ぎますので、信じて頂きたいものです。

 

他に、バルコニー床面や共用廊下の長尺塩ビシートの色、ウレタン塗膜防水の色、屋上のシート防水の色(日頃見ることはないが、最近はネットの地図で上から見ることができるので、自分のマンションをチェックする人もいる)なども、事前アンケートによって決定するとよいでしょう。

 

 

工事は施工業者に任せておけば進みます。 なので、工事の主役という認識も持っていただくためにも、最終の仕上げ色は、これからも住み続ける皆様で決めて頂きたいと思います。


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