大規模修繕工事を成功させるコツ・進め方

足場組立にも養生が必要?

足場組立にも養生が必要?

 

大規模修繕工事が着工されると、汚さない様、傷つけない様に、様々な箇所を養生します。

 

それはエントランスの床であったり、エレベーター内であったり、バルコニーのアルミ手摺だったり、塗料や補修材などで汚さないための処置という意味合いが強いです。

 

塗料や補修材は使わないのに、足場組立工事では養生が必要です。
それは足場部材による建物や敷地床面への損傷を防止するためです。

 

よく改修工事が済んだあとの屋上を見ることがありますが、所々に凹みや疵(きず)を確認することがあります。
足場の組立や解体時に、防水層の養生をせずに部材を置いたことが分かります。

 

大規模修繕時に防水工事をする場合は、「あとあと改修するのだから、少々傷つけてもいいや」 という考えになりますが、足場組立から屋上防水改修までは少し間があく場合がほとんどです。防水層の全面撤去をする場合も、被せ工法を行う場合も、その間のことを加味してコンパネなどで防水層を養生しましょう。

 

屋上防水工事をしない場合はなおさらです。
後々凹みや疵を付けた防水層を残す訳にはいきません。

 

 

敷地内の床面も同じです。
長物を仮置きする場合は、端太角などを用いて部材を床面に直接置かないようにします。しかし壁つなぎ腕木ブラケットなどの小さなものは、床面に直接置いている現場をたまに見ます。
そして今から上に揚げる部材や、解体時に上から降りてきたばかりの部材などは、少し斜めに傾けて一時的に立てかけられます。この立てかけた場所の床面、結構傷つくんです。

 

揚げる部材はゆっくり置かれることがあっても、降りてきた部材は次から次へと後の部材が降りてくるので、下にいる人もガンガン音をたてて素早く立てかけるという状態になります。
このときにアスファルトにしろ、コンクリートにしろ、ましてやインターロッキングなんて傷だらけになってしまいます。必ず仮に立てかける箇所の床面にも養生材を敷くようにしてください。

 

 

そしてなかなかなされていないのが、足場を組んで行く下の養生です。

 

アンダーベースや敷板の下に、900㎜巾や1800㎜巾などの巻物のブルーシート(白色などもある)を敷いていくのです。
これは、足場部材のための養生というよりは、工事期間中の塗料や劣化したタイル・コンクリートの斫り後のカス、補修の樹脂モルタルなどから床面を守る意味合いが強いです。

 

よく「大規模修繕工事をこの前終えてね」と言ったマンションにお邪魔すると、敷地内の建物が建っているすぐそばの床面が、塗料やモルタルかす、またはカッターナイフを折った刃先などという小さなゴミが大量に散りばめられていることがあります。

 

管理組合の方々は、それに気付いているのかいないのか、工事が終わった後はそれが当たり前と思っているのか。 はっきりいいます。当たり前ではありません。

 

足場解体後に一生懸命清掃されて、それでも多少残ってしまうことはあるでしょう。その場合でも、管理組合には事情を説明して許して頂きましょう。
しかしその前にやるべき事、それが「なるべく汚さないように、下を養生してしまおう」ということなのです。
足場解体後に、このブルーシートを撤去するだけで、汚れ具合に雲泥の差があることがわかります。

 

 

せっかくきれいになったのに、見えないと思ってこんなところをゴミや疵だらけにして、と居住者の方々に思われる事態を避けたい、足場解体後に無駄な清掃の手間を少なくしたい、そして少しでもきれいな状態で最後に引き渡したい、そう思う方は是非とも実践して頂きたいです。


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