ルーフバルコニー・ベランダ内の片付け
足場が建つと、外壁塗装面やタイル面、天井、床面等の劣化調査・診断に入ります。
それまでには、バルコニー・ベランダ内の荷物は移動してもらっておきましょう。
バルコニーやベランダ内には、実に様々なものが置かれております。
床にも簡易的なウッドデッキが設置されているかも知れません。
基本的に、それら全てを室内に移動して頂かなければなりません。
そのままにしていいのは、エアコンの室外機のみです。
室外機は、その都度作業員の方で移動をします。
床面の防水(塗膜防水)の際は、「馬(※)」を使用して施工し、塩ビの長尺シートを設置する際も、室外機を移動しながらシートを張り付けていきます。
中には、大小様々な倉庫を置いている方もおられます。
これらは一旦、荷物を出してしまって、倉庫を解体しなければなりません。
中の荷物も、解体された倉庫の部品も、何もかもお部屋の中に入れて頂く必要があります。
これらの作業を、居住者が出来ないからということで、施工者がお願いされることがあります。
余程時間的にも、金銭的にも余裕がある場合は、サービスで行う施工者もおられますが、居住者が個人的に有償で頼む場合が基本です。
調査、補修、シーリング打替え、塗装、床面防水、全てに於いてバルコニー・ベランダに荷物があるだけで工事の妨げになります。
又、荷物があれば、それが汚染されない様に養生するといった作業が発生します。
養生したところで、完全に防げるともかぎりません。万が一汚れたら、責任問題にもなります。
荷物の移動は、居住者にとって非常に面倒な作業であると思います。
しかし、これは非常に大切な事なので、居住者の方々には十分理解して頂き、協力して頂きましょう。
お部屋の中に、全て移動して頂くのがベストですが、マンションの敷地に余裕があるならば、一時的に荷物を移動できるスペースを作ります。
バルコニー・ベランダに、植木やプランターを置いている方も少なくないと思われます。
そういう方々のために、足場の部材等で植物専用の棚を作るのも良いです。
この時、植物への水遣りは、居住者の自己責任であることはお知らせしなければなりません。
又、荷物の一時移動スペースへ移動された荷物も、自己責任で管理するものとし、第三者からの破損・盗難等に於いての責任は、施工者が負う事はないという旨も、しっかりお知らせしておきましょう。
植物・荷物共、沢山ありそうな場合は、一戸当たりの持ち出せる量を決める等、ルール作りも必要になります。
このルールは、施工者ではなく、管理組合で作っても良いでしょう。
居住者、施工者共、気持ちよく工事に取り掛かれる様、創意工夫を凝らした段取りをしていきましょう。
(※)馬 : 丸鋼等で作られた、床面防水時に使用される室外機専用の架台。塗膜防水施工後、
馬を撤去した際、跡の補修を容易にする為に、4本ある脚の先端は尖らせてある。
アルミ製の軽くて持ち運びが楽なものも、一部のメーカーから販売されている。