現場事務所・詰所・仮設トイレ
事務所内では、様々な作業を行います。
工程会議、事務処理、監理者や管理組合・修繕委員との打ち合わせ、工程表やカレンダーなども設置し、工程管理もしなければなりません。
そしてなにより、寒い時は暖かくして、暑い時は涼しくして、身体を休めたり、食事をする場所になります。
このように、現場事務所がないと、工事も思うように進みません。
事前に設置場所を管理組合と協議し、双方が納得した上で決めます。
工事が進むと、居住者の方が問い合わせや要望などを持ち寄り、訪ねてきます。
やはり工事用ポストへの投函での接点よりも、実際に初めから会ってお話しした方がお互いに打ち解け合うことが多いようです。
このような小さな対応で、居住者からの信頼を積み重ねていきます。
現場事務所には、居住者の皆様に工事説明会でお話ししたことなどを、再度伝えられるように、説明会の資料や材料サンプル等を常備しておきます。
どのような質問や要望にも、出来うる限り答えられるように、常に準備しておくといいでしょう。
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仮設事務所設置完了。今から現場が始まる。
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仮設事務所内の工程表。繁忙期は白い箇所が少なくなる。
現場事務所の他に、設置して欲しいのが詰所です。
作業員が作業以外の時間にくつろぐ空間です。
これがないと、現場事務所を兼用したり、作業員の車の中や敷地内の一角が休憩場になります。
車の中でひっそりと休憩したい作業員もいるでしょう。
外の風に当たっている方が気持ちいい方もいるでしょう。
車内で電話をいじっているだけでは意思疎通は難しいです。
外も良いですが、季節によっては体調を崩す要因になります。
せっかく皆で仕事をしているのです。雑談やちょっとした仕事の話をワイワイガヤガヤするのもいいものです。
出来るだけ詰所を設置しましょう。
設置場所の余裕がない場合は、現場事務所との兼用は避けられませんが、それでも広い空間か、2階建てを考えます。
代理人が休憩の度に作業員と軽い挨拶でも、談笑でも出来る空間があるのが理想です。
「おつかれさまです」「あそこの仕上げ、うまく納まってますね」など、作業員も元気づけられると現場全体が活気づきます。
現場事務所・詰所で気を付けたいのが、「盗難」と「火の始末」です。
鍵を締めずに誰もいなくなることが多く、代理人がパソコンを盗まれたという事例もあります。
その中に工事の記録を保存しておいたとすれば、大変な事態です。
貴重品は鍵付きの引き出しに入れるか、財布などは施錠した車内に置いておく方が良いでしょう。
もし可能ならば、鍵をかけて現場に向かいましょう。
トイレは設置場所に気を付けたい仮設の一つです。
夏場は仮設トイレの臭気はかなり拡散します。
バルコニーの真下・玄関付近など、居住者の目や鼻に常に影響を与えるところへの設置は、出来る限り控えます。
なるべく人目につかない、においも気にならない場所に設置しましょう。
気にするのはマンション居住者だけではありません。
マンション建物から遠ざかっても、そのトイレが塀をはさんでお隣さんの玄関前にデンと構えてしまっては、近隣対策を行ってないのと同じです。
あと、設置場所は汚水桝が付近にあるかどうかも考えにいれます。
汚水を流すことが出来れば、簡易水洗タイプを使用でき、臭いを大分押えることができます。
汲み取り式にする場合は、設置場所が汲み取り可能かどうかも考慮に入れます。
いずれの仮設物も、工事を進める上で大変重要なものであります。
管理組合・近隣の皆さんに納得していただける仮設計画を立てましょう。
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仮設トイレと手洗い。汚水桝や近隣の目などの都合で設置場所を決定する。