大規模修繕工事を成功させる「曖昧な態度」

曖昧な態度のススメ

曖昧な態度のススメ

 

調査中は、敷地内にて管理人さんや清掃の方、居住者の方等々、沢山の方々とお話をする機会があると思われます。

 

普通は「うちのマンションも色んなとこが悪くなってきてねー。」 「こういうとこも見積るときに考えてよ。」 等で、「うちの子もあんたと同い年くらいよー。」 「その子も最近までは家にいたんだけどねー。」 と世間話に発展する事もよくあります。

 

こんな世間話の中に、「どのくらいの期間工事が続くのかしら。」 「一体いくらくらいかかるの?」 等々 工事の大まかな疑問を投げかけてくる方もおられます。

 

この場合は、「まあ、4ヶ月くらいでしょうね。」 「5000万くらいは掛かるかも知れません。」 なんて受け答えはしない方が無難です。

 

また、その数字だけが知らず知らずに独り歩きした後で、実際は半年掛かる、6000万掛かるなんてことになれば居住者や他業者の方々を惑わすことになります。

 

自分の失敗談になりますが、マンションでの仕事を始めて数年経ったときに、調査中に時間と金額の見積を聞かれて、「およそ2か月程度で、2000万円前後ですね。」と得意げに言った1週間後に出した見積は、工程が3ヶ月で金額は3500万円くらいでした。

 

呼ばれたプレゼンには、私に質問された方も来ていました。終始笑顔の方でしたが、「こんの嘘つきめ!」と思われている気がして、ものすごく居心地が悪かったことを覚えています(ちなみにその物件は失注致しました)。

 

ある程度経験を積んだ施工者の場合は、大体の目途が立っているでしょうが、それでも各社全て同じ考えという訳ではありません。

 

施工者にも、居住者にも、「ここだけのハナシ」が好きな人が結構います。私もそうです。
「ここだけのはなしですが ・・・ 」は、確実にここだけではなく、拡散します。

 

どうしても教えて欲しいという方には、
「はっきり言えませんが、足場の設置が難しそうなのでちょっと掛かるかもしれませんねー。」
「はっきりした数字は分かりませんが、吹き抜けが多いので、金額も上がるかも知れません。」
などの言葉で濁してもいいと思います。

 

世間話だからと侮らずに、自身の発言にはいつも注意していたいものです。

 

 

 

 

次のページをみる →  晴れの日だけでなく 

 

 


 
 

前のページへ  次のページへ

 

 

 

 


ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME