マンション大規模修繕の必要性<改修①:設備>
大規模修繕工事の「修繕」とは、劣化が進んだマンションを、「新築当初に近い状態に戻す」ということです。
しかし初めての大規模修繕工事を行う場合、マンションが建てられたのはおそらく十年以上前であると思われます。
十数年前に戻すだけということは、劣化したコンクリートや塗装面またはタイル面などを元に戻すのみということになります。
そして、「新築当初 <に近い> 状態に戻す」としたのは、新築同様に戻すことは無理だからです。
マンションの外に出てみれば、近くでは新築のマンションが分譲中の「のぼり」を出しています。
そういえば広告がはいっていたなと、帰って広告を見てみると、自分のマンションを新築で買ったときとは明らかに違います。
風除室扉は自動ドア、床はバリアフリー、共用部の床面は全て塩ビの化粧シートが張ってあり、防犯カメラもいたる所にある。マンションの正面もうちのより重厚感があってなんだかいい。 LED照明は当たり前、うちの玄関扉横についている玄関灯も、なんだか古臭く感じる―――
しかし悲観することはありません。
自分達で変えるとこができるのです。デベロッパーによる出来合いのものではなく、外観・設備などを自分たちで考えて、それを形に出来るのです。
信頼出来る会社に頼んで、思い描いたものを形にしていく―――
こんな素晴らしいことはないと思います。
現在の新築マンションまでとはいかないものの、既存のマンションをグレードアップする(改修する)ことで、見た目も機能性も格段にアップします。
機能性の向上(設備)
<バリアフリー化>
最近では駅や美術館などの公共施設、そしてスーパーなどが併設した商業施設もバリアフリー化が進んできて、利用しやすくなっています。
楽しい思い出を持って帰宅すると、自分のマンションがそうでなかったらため息が出そうになります。
普段、生活する場所だからこそ、使い勝手がいい、過ごしやすい場所がいいと思うでしょう。
スロープを設けることで道路からエントランスまでの段差をなくし、階段にも手摺りを設置することで、年配の方々が楽に移動できるようにします。
<LED照明>
照明器具をLED照明に取り替えることで、光熱費も80%程度削減され、電球の寿命も約10年(1日10時間程度の利用)で、電球の交換回数も減ります。
脚立の上にまたがって、またはマジックハンドを伸ばしてホコリの溜まった電球を取り替える、あの手間が格段と減るのです。
また、照明器具は高いので、電球をLEDに交換する話もでてくるでしょう。
この場合は、既存の照明器具に口金の大きさが合うか、調光器付きの照明器具ならばそれに対応しているかなど、実際に合う電球があるかを調べる必要があります。
<集合郵便受け>
集合郵便受けも以前と比べて使いやすくなっています。
仕事に疲れて帰宅。荷物も重くて南京錠の番号を片手で合わせるのはかなりのスキルが必要です。
やっと開錠と思ったけど、この扉結構開けるのに力使う場合があります。
そこで開錠や開閉を気持ちよく出来るものと交換するマンションも増えています。
錠前は、差し込み式の鍵タイプ、そしてナンバー式のタイプもあり、片手で軽くまわして合わせられます。
開閉も近年のものは楽に出来るものが増えており、心身ともにストレスがたまりません。
大きな郵便物もスッポリと入ることができ、かつ見た目もよりスタイリッシュになっています。
次の記事では、建物の外観を決める「仕上げ材」について考えていきます。
続きをみる → マンション大規模修繕の必要性<改修②:仕上げ材>