大規模修繕工事を成功させる「修繕積立金と施工面積の関係」

修繕積立金と 施工面積について

修繕積立金と 施工面積について

 

マンションで月々集められる費用の中に、建物修繕や設備改修などのために貯められる「修繕積立金」があります。

 

マンションごとに、何年目でいくらの費用が必要か、それには毎月どれだけ積立しなければならないかを、表とグラフで表した「長期修繕計画」によって、修繕積立金は決まります。

 

しっかりした長期修繕計画を作成した後、修繕積立金が思ったより「高い」ことがあります。

 

要因の一つに、「そのマンションの形状」が考えられます。

 

一般的な形状は、長方形(団地型)やL字形などですが、中には出っ張りと引っ込みがたくさんある歪(いびつ)な形状や、不必要な飾り柱や梁が張り巡らされた形状のものもあります。

 

形状が複雑なマンションでは、いざ修繕というときにどんな特徴があるかというと、塗装面タイル面などの壁の面積、及び作業足場の面積が通常より多くなります。

 

例えば15階建てのマンションにおいて、建物から4m離れたところに直径1.5mの柱が、断面がタテ0.7m、ヨコ0.5mの2方向からの梁で繋がれているとします。

 

単純に計算すると、
<柱の面積>
高さは15☓2.8m(1フロアの高さ)=42m、
円周は1.5☓3.14=4.7m
よって面積は、42☓4.7≒197㎡

 

<梁の面積>
梁の胴囲は(0.7+0.5)☓2=2.4m
梁1本の面積は、2.4☓4=9.6㎡
30本あると考えて、9.6☓30=288㎡

 

よって1本の柱とそれを繋ぐ梁の総面積は、
197㎡+288㎡=485㎡となります。

 

塗装工事の金額を2000円/㎡と想定すると、
2000☓485=970,000円となります。

 

正確には、柱と梁の取り合い分の面積は減るでしょうが、微々たるものです。

 

反対に、梁や柱の上部は塗装ではなく、塗膜防水になる可能性もあるので、さらに金額が上がる可能性もあります。

 

柱や梁が多くなればなる程、塗装の金額は増えていきます。

 

このような建物では、作業足場の面積も当然多くなり、金額も増えていきます。

 

吹抜けが多いマンションも、同じ理由で塗装や足場の金額が増えます。

 

吹抜けは、たまに単なるハトの溜まり場になっているだけのマンションもありますが、共用廊下と部屋の壁や窓の間に距離をつくり、プライバシー保護を担うなど、重要な役割をもっていることもありますので、多くても仕方がありません。

 

 

このように、マンションの形状次第で、通常より工事費が多くなる可能性があるという事を念頭に、長期修繕計画を確認していきましょう。

 

 


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