大規模修繕工事を成功させる「高い修繕積立金の理由」

近隣より修繕積立金が高い「3つの理由」

近隣より修繕積立金が高い「3つの理由」

 

手に入れたマンションで、将来快適に、そして安全に暮らしていくのに必要なのが、「修繕積立金」です。

 

その用途は、大規模修繕工事屋上防水工事、設備改修工事を始めとする大型工事、漏水補修工事や外壁の一部修繕工事などの小さな補修工事など様々です。

 

その修繕積立金が、将来にわたり適切に貯められていくかを何で判断するか。それは「長期修繕計画」です。

 

 

これは、「当該マンションがこれから何年後に、どのような工事が必要になり、それにはいくらのお金がかかるので、それまでにこれだけ貯金をしましょう」という事を、表とグラフでまとめたものです。

 

新築当初は通常、販売者である不動産業者(デベロッパー)が、長期修繕計画を作成しているものです。

 

長期修繕計画では、修繕積立金の積立方式は主に2種類あり、ずっと均等額を積み立てる「均等積立方式」と、最初の積立金を低く設定して、段階的に値上げしていく「段階増額積立方式」があります。

 

 

不動産業者が提示する長期修繕計画での修繕積立金の金額は、どちらの方式であっても安く設定されていることがよくあります。

 

これは購入する人に「月々の負担金が安くて安心」という気持ちを持たせるためであり、正しい金額で設定されていないということになります。

 

言い換えれば、「長期修繕計画自体が間違っている可能性が高い」という事です。

 

当初の計画を鵜呑みにすると後で後悔します。

 

信頼出来る管理会社やマンション管理士などのコンサルタントに依頼して、適切な長期修繕計画を立ててもらいましょう。

 

きちんと計画を立てることで、いざ大事な工事をしようとした時に、工事費に不足が生じ、区分所有者から一時徴収金を集めなければならない、必要な工事を先延ばししなければならないなどという事態を防ぐ事ができます。

 

 

そうしてしっかりした長期修繕計画を立て直したら案の定、当初の修繕積立金では大幅に不足し、「破たん」していたことに気付きます。

 

最初より割高な積立金の設定になったり、段階的に値上げする場合も当初より大幅にねあげしなければならないこともあります。

 

「早く気付いてよかった・・・でもちょっと待って。なんかうちのマンションの修繕積立金って高くない!?」 という結果になる場合があります。

 

近隣と比べると、戸数や階数はあまり変わらないのに割高になっている場合、主に3つの要因が考えられます。

 

<近隣が修繕積立金の見直しをしていない>
自分たちのマンションは計画をしっかり見直したのですが、近隣は不動産業者の思惑のままの長期修繕計画を見直していない場合です。

 

できるならば、早めの計画見直しを勧めて頂きたいです。

 

 

<近隣のマンションと比べ、特徴がある>
建物自体の形状が歪(いびつ)な場合や、エレベーターの数が多い、意外と修繕費が掛かる機械式駐車場がある、などの場合です。

 

 

<作成側の利益分が入っている>
逆に管理会社が計画し直したときに、ほぼ全ての項目で高すぎる積立金が設定されたならば注意が必要です。

 

管理会社はマンション管理組合の懐具合を知っています。

 

自分たちが修繕を行う、又は管理組合と施工会社の間に入ることでの大きな利益を得る算段が働く可能性があります。

 

しかし管理会社の中には、修繕専門の部署があり、マンション管理以外にもメンテナンスや修繕工事に関しても、保証をすることで責任を全て持つところがあります。

 

その場合は、いわば安心料として計上されることには問題ないと思われます。

 

 

自分たちのマンションの高い修繕積立金、それが妥当なのか否かは、専門家に聞く、相場と比較するなどして、早めに確認する事をお勧めいたします。


ホーム RSS購読 サイトマップ
HOME