塗装面などの劣化(モルタルの浮き)
鉄筋コンクリート造といっても、一部にモルタルを使用している箇所もあります。
例えば、●共用廊下・階段室の腰壁天端(こしかべてんば)
●外部窓の面台・庇(ひさし)
●ベランダ・共用廊下等の床面 等です。
又、昭和40~60年代に建てられた建物は、コンクリートの壁面、主に塗装面の下に、モルタルを厚付けして仕上げてある場合もあります。
このモルタルが、コンクリート面から浮いていることがあります。
モルタルは防水性能があるために多用されますが、
●コンクリートとは異なる物性を持った材料である(伸縮率がコンクリートの2倍ある)
●新築施工時の不具合
(モルタルを塗る際の、下地コンクリートの水分過多や水分不足による接着不良等)
●コンクリート打設に使用する型枠から出る成分が引き起こす
等により、表面モルタルは浮いてしまいます。
明らかに一部が割れて剥がれているならば、確認しやすいのですが、大抵見かけは健全部と変わりません。
よって打診調査等により確認する必要があります。
鉄筋の「爆裂」同様、高所で落下の危険性がある箇所への注意が必要です。
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共用廊下の腰壁天端のモルタルが浮いている。打診時の音が健全部と違う。
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共用廊下 手摺足元のモルタルの浮き。下部にひび割れが生じている。
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最上階からモルタルが剥落した跡。幸い人通りはなく、けが人はいない。
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モルタルが剥落した破片。第三者災害の危険性が高い。
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モルタルの剥離と浮き。剥落部を補修せずにいると、浮きや剥落は広がる。