見積項目「取捨選択」のポイント
見積段階で、工事金額の上限を伝えられる事があります。
他業者もその金額で、出来る範囲の工事項目を見てくるでしょう。
負けてはいられませんが、無理な見積を作成して、協力業者を泣かすようなことはしたくありません。
若し他業者よりも多少見栄えで負けても、どんなにそのマンションの事を理解し、考えているかで覆す事もあります。
又、見積段階では金額の上限が伝えられない場合もあります。
そんな時は、あなたが考える全ての工事を見積に盛り込みましょう。
その際気を付けたいのは、工事金額が足りずにできない工事が出てくるときに、簡単に項目を減らすことが出来るかです。
例えば、足場がないと出来ない工事を最優先とし、他の工事にもそれぞれ優先順位をつけます。
優先順位の理由も明記すれば言うことはありません。
小さい話ですが、ここで考慮して頂きたいのは、屋上の防水改修工事を足場がなくても出来るか否かです。
端末の押さえ金物や、水切り金物を外側からアンカープラグで止める等の事態がない限りは、足場なしで出来ます。
問題は主に2つあり、1つは足場がないと危険ということです。
足場があるだけで安心して工事が出来ます。
しかし、後程屋上防水工事をする際には、屋上外周にスタンション(仮設手摺)を設ければ可能ですが、その費用が発生することは管理組合の方々には知って頂かなければなりません。
又、スタンションを撤去した後の手直しなどが出てくる可能性も考慮して、見積作成・管理組合への説明をしなければなりません。
2つ目は、塗膜防水を施す際は、材料が風で飛散する可能性が出てくることです。
これは足場がないと防ぐのは難しいと思われます。
よって最悪の場合、端部にあたるパラペットの塗膜防水を足場がある大規模修繕時に行い、大屋根はスタンションを設置して後程施工するという計画を立てます。
このように、管理組合から直の見積依頼の場合、あなた独自、且つマンションに一番合った提案を心掛け、自分が住んでいるマンションと思って、これからの修繕計画も提案出来れば、居住者の心も動くはずです。