大規模修繕工事を成功させる「塗料の希釈」

塗料の希釈はどれだけする?

塗料の希釈はどれだけする?

 

塗料は缶に入っている段階で、かなりドロっとしています。

 

ここで作業がしやすいように、そして塗装後の性能を引き出すために、水性塗料の場合は水、溶剤系の塗料は塗料用のシンナーを希釈材として使用して希釈します(希釈=薄めること)。

 

希釈材は入れれば入れるだけサラッとして、作業はそれはそれはし易くなります。

 

ローラー刷毛などを塗料に浸してあげる時の重さもなく、作業全体が楽に感じます。

 

希釈なしの厚付け材にマスチックローラーを入れて引き上げるときなど、かなり重く感じますよね。

 

 

各塗料には、決められた希釈率があり、これを守ることで、塗料の性能を維持します。

 

全うな業者はしっかり守っていますが、そうでない業者も中にはいます。

 

「作業がしやすい、材料代が掛からない」という理由で、希釈材を規定以上に入れてしまいます。

 

その結果、何が起こるか。

 

まず、粘度が極端に低くなっているので、ローラー・刷毛に塗料を沢山浸み込ませていると、「だれ」を生じます。

 

そして一番の不具合は乾燥後に出てきます。

 

本来、艶(つや)が出なければならない表面に艶がない、または場所によって色合いが「まばら」であるなど、仕上がりに影響してきます。

 

仕上がりだけではなく、塗装面自体の「寿命」も短くなります。

 

作業する人間にしてみれば、「自分たちが楽に仕事が出来て、経費も浮くんだから悪くない」となるわけですが、お客さんのことを考えていない、最低の考え方です。

 

 

希釈率は、材料によって異なりますが、大まかには5~15%程度です。

 

これは製品によっても違いますが、夏場などの暑いときは材料自体の粘度が低くなるので少なめに、逆に冬場などの寒いときは高くなるので多めに希釈します。

 

塗装した際に、「だれ」が起きないように希釈します。

 

希釈量が多すぎても少なすぎても、塗り方次第で「だれ」が起こります。

 

その時その時の適当な希釈量を掴んでいきます。

 

 

希釈し過ぎると、塗装後の性能・仕上がりに不具合が出ることは前述しましたが、「希釈しなさすぎ」も不具合の原因になります。

 

規定より塗膜が厚すぎると、塗装面の割れの原因になります。

 

 

自分の経験、メーカーや問屋の見解などを加味していき、常に最適な塗装を心掛けることが、将来のお客さんの安心、そして施工業者の信頼へと繋がっていきます。

 

 

 

 


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