雑種犬ナナ 初めての爪切り
中にある血管を切らないように切る。
いっぺんに切ろうとするより、少しずつ慎重に切る。
最近(令和元年8月)覚えたこと、それは飼い犬ナナの爪を切るという作業です。
ナナが室内犬になって数カ月が経とうとしていたある日、フローリングの上を歩くナナの足音が耳に入ってきました。
おそらく少し前からその音を聞いていたかもしれませんが、歩き辛そうにしている姿が目に入り、同時にそのときの音も気になり始めました。
素直にそれを口にすると、「外にいないから爪が伸び放題よね」と妻がいいました。
それはそうでしょう。外犬(そといぬ)時代はいつも庭のコンクリートや土の上を駆けずり回っていたのですから。
爪は自然と研がれていたのでしょう。
しかも最近は散歩の距離も短くなっていますから、外で爪が削られる機会は減っています。
もともと私よりもペット歴(もちろんペットを飼ってきた年数)が長い妻は、鳥の爪などを切る経験はありましたが、犬は未経験でした。
ダメもとで人間用の爪切りを使ったらと思いましたが、見るからにナナの爪は入りません。
ネットで調べたところ、「ギロチン式の爪切りがいい」という事が書かれていました。
後日、妻がペットショップにて「ギロチン式」の犬用爪切りを購入してきました。
おー、確かに「ギロチン」だ。
見た目はペンチやニッパーのようなです。
小さな枠になった場所に爪を入れて、握ることで丸く形取られた刃が、ギロチンよろしく枠に入った爪を「スパッ!!」と切る構造になっています。
これは切れそうだ。
初めての試みに胸を躍らせながら、ナナの右前足を左手で取ります。
切りやすそうなところまで前足を持ってくると同時に「サッ」と前足が消えます。
ナナを見ると、眉毛(に見える模様)を八の字にしてこちらを見つめています。
「右手に持ってる、それ何?」といっています。
「ナーナ、だいじょうぶよー」と猫なで声を出しながら、もう一度右手を取ると、やはり「サッ」。
こうなりゃ二人掛かりだという訳で、妻がナナを抱え、私がナナと対峙する形で「ギロチン」を構えました。
そうしてやっとナナの爪を「ギロチン」の中に入れたところ、今度は引っ込めない。
妻に抱かれている安心感か、二人掛かりでされている絶望感か。
それを考えるより先に、今度は私の方がビビッていました。
なんせ血管が見えるところと、見えにくいところがある。
血管まで切ってしまうと、痛いらしく(当たり前)、鳴くそうです。
そんな愛犬の姿を見たくないので、慎重に慎重に切ろうとすると、きゅうりの輪切りのように爪が切れていきます。
なんやかんやで全ての爪を切ってしまいましたが、なんとなく切り足りないようです。
「最初だからね」と妻は言ってくれましたが、「ここまで血管はないよ!」と誰かが印を入れてくれない限りは、また同じことをしそうです。
その後、自分一人でナナを抱きかかえ、爪を切る機会がありましたが、やはり中途半端な箇所で爪切りは終わっていました。
しかし、きゅうりの輪切りが気持ち分厚くなるという進化がありました。
フローリングの上を歩きにくそうに移動することはなくなりましたが、爪切りはやはり不十分のようで、馬の蹄のような足音はまだあります。
今度はライトで爪を透かして、血管の位置を確認しよう。
こうやって少しずつ、飼い主も賢くなっていくのだろう。
そんなことを思っていたら、妻から「動物病院でも安く切ってもらえるみたいよ」と一言。
まあ、プロにしてもらうのが一番でしょう。
でもあと数回、ナナには我慢していただきましょう。
やだー