敷地内を事前チェックし、写真に残す訳
工事が始まって、また竣工付近の問い合わせで、
「足場の重みで地面が凹んでるんですが・・・。」
「ピロティの入り口に大きなキズが入ってます。」
等々、責任の拠り所が曖昧な苦情が稀にあります。
明らかに施工者の過失ならば、言い訳ひとつせず、「申し訳ありません。早急に対処致します。」 ときっぱり言えますが、中には「あの不具合は初めからあったような・・・。」 というような場合もあります。
そんな時、「いやー、うちがやったって訳じゃないと思うのですが・・・。」 なんて言った日には、過失があろうがなかろうが、関係がいいほうに行くことは少ないです。
その不具合が最初からあったという確証がなく、工事の人間の過失の疑いが高ければ、対処しなければならない可能性があります。
しかし、着工前に様々な不具合部を写真に収めていれば、いざというときに役に立ちます。
写真に収めた方が良いのは、地面、フェンス、インターロッキング(レンガ等が敷かれている歩道床)、駐輪場等です。
竣工時に、「駐車場が足場で凹んでるんですが。」 といわれた時、着工前の写真が私を救ってくれました。
沢山撮った写真の中に、凹んだアスファルトがきっちり写っていたのです。
言ってきた管理組合の方には、写真を確認して、直ぐに納得して頂きました。
ちなみに駐車中の車も、同様の理由で写真を撮っておいた方が良いです。
稀に、ここぞとばかりに車のキズを指摘してくる方もおられますが、そんな時も写真が救ってくれます。
又、工事対象外の箇所、例えばエントランスの床や壁面のタイル、エレベーターの扉などにも、自転車をぶつけたようなキズが最初からあっても、写真に残しておけば、もしもの時に役立ちます。
着工前にひと手間だと思いますが、以上の様な理由で、後々言われそうな箇所は写真に収めておいた方が何かと便利です。