マンションでの子育て
お子さんを持たれたお母さん方が、子育てに悩んでいます。
言う事を聞いてくれず、泣き止まず、どうしていいのか分からず、ついカッとなって手を上げてしまう。
そんな話を聞きます。極端になると、新聞やニュースに取り上げられる様な痛ましい事件に発展します。
一人で悩んで思い詰めて、精神的に参ってしまう。
どうしようもなくなり、他に考える術もなくなり、気づいたら子供に手をかけていた・・・
事件の渦中になってしまった母親も極々普通のお母さんだと思います。
子育てを経験されたことがある、または子育て真っ最中だというお母さん方は、メディアから流れる事件を痛ましいと思いながら、「うちも紙一重だわ」と同情され、なんとかならないのかしらと思われることでしょう。
休みをきちんととる事ができて、きっちり定時で上がられる旦那さんがいて、旦那さんが率先して家事や育児を分担してくだされば、お母さんは精神的にも、肉体的にも疲労が軽減すると思います。
ですがなかなかそうはいかないでしょう。
子供の頃、私は市営の団地に住んでいました。
幼少のころから近所の方々にかわいがってもらい、ほぼ全ての居住者の方々と挨拶を交わしていました。
団地の外でも、挨拶したり声を掛けてくれたりする方が多かった気がします。
中には苦手なおじさんやおばさんもいました。
しかし今考えると苦手な方々とは、「素行の悪い私ら子供に口うるさく言ってくれる人達」だったと思います。
遅くまで遊んでいると、「いい加減に帰りなさい!」
悪さをはたらいていると、「こらー! やめんかー!!」 という具合に、何かに付けて見てくれてました。
母親も、「アンタどうしようもない子だったから。あの人たちがいてくれて助かってたわ。」と、当時を思い返します。
地域の子供は地域のみんなで育てているといった空気を強く感じていたものです。
地域の差はあるにせよ、昨今では昔の様な周囲との繋がりをもったコミュニティが減っているように思えます。
周りの人から口うるさく言われる子供も少ないのではないでしょうか。
我々大人からしても、他人の子供に注意すれば、その親が怒鳴り込んでくるんじゃないか、という不安を抱えて周りの子供と接しているような気がします。
大人ももっと気楽にいけばいいと思います。
日頃の挨拶を見直してみます。
いつも笑顔であいさつしてくれる人には、子供もあいさつを返してくれると思います。
子供の表情は笑顔ではないかも知れません。
でもいつも笑顔であいさつしてくれる人のことを、悪いようには思わないでしょう。
そういうコミュニケーションの種は、おうちでも「おはよう」「ありがとう」なんて言葉ででてくることもあります。
そしてお母さんが子供と一緒に歩いているところに、いつも挨拶をしてくれる人から「おたくのお子さんはいつも挨拶を元気よくしてくれて、本当にいい子ですね」なんて言われたら、家の中でのストレスがスゥーッと消えるのではないでしょうか。
今の例は、一人で出歩ける小学生くらいの子の話ですが、小さなお子さんに関しても同じようなことが考えられると思います。
やはり子供を連れて外に出た時に、マンションや地域の人達と、笑顔で触れ合える機会が多ければ多いほど、おうちの中での不安やストレスの度合いも、大分かわってくるのではないでしょうか。
そして一番は、やはり同年代のお子さんを持つお母さん方とお話しをすることだと思います。
案外、というか必ずといっていいほど、同じ様な悩みをもって、子供に接しているというでしょう。
「ひとりじゃないんだ」 という気持ちをもつことが、精神的に一番いいことだと思います。
そしておうちでも、こどもに呼ばれて、または抱っこをせがまれて、やるべきことが進まない、というときは、もう子供に向き合って笑顔で接して、あたたかく抱っこしてあげるのが一番だと思います。
そういう時期は、今だけだと思います。
家事などのやりたいことへの手を休めて子供と接することで、あとあと後悔しないと思います。
子供もそれをきっと覚えています。
子供は宝です。命を張って守られるために生まれてきた、と私はおもいます。